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Vol.07
E36 M3
FULL−SEV化とH&Rスタビライザー導入

 前回までのモディファイでかなり完成度が高まり、別物の車に進化したことは既に報告しましたが、一方ではエンジンパワーが少しアップし、サスペンションがハードになったことで少しばかり尖った方向性になった印象もあり、大人の上質な車としてなにかがちょっぴり不足?という感じで、もう一つステップアップが必要と感じていました。
 今にして思えば排気音と振動がノーマルより増したことと、さらに本来の高回転型のエンジン特性がさらに輪をかけて若干の荒っぽさを感じさせていたのだと思います。
 少し前にたまたま運転させてもらった知人のポルシェ996型カレラ2ティプトロニックが、比較的低回転域から高回転域まで溢れ出るトルクとスムーズさが途切れる事なく続くこと、そのボディーやブレーキの素晴らしい剛性感やサスペンションの上下及び横剛性、いい意味での重厚感などに感動したことを思い出すと、もう少しそちらの方向に振りたいと思っていました。
 もう少し低回転域からのトルクをぶ厚くしたい。どうしても、アンジュレーションある路面で左右前後のあおられ感をかんじるので、もう少しシャシーも含めてサスの縦/横/ねじれ剛性までしっかりさせたい。
 1997年型というけっして新しいとは言えない年式で、今となっては良く言えばライトウエイトではあるが、やはりアンジュレーションのあるところではボディーの揺すられ感や重厚感の欠如があって、カレラに遠く及ばない剛性感、それらをなんとかできないものか?年式や排気量を考えるといくらなんでも無理難題だろう、と思いつつ、少 しの間悶々としていました。
 しかし、前回のレポートで最後に書いた通り、SEV装着に着手して、少しづつ試していくにつれて少しずつ改善がみられるようになったため、さらにSEV化を進め、結果的にほぼFULL−SEV化。
 さらに仕上げとしてH&Rの前後スタビライザーもいれたことで、ほぼ100%不満解消!ほぼ狙った通りに仕上がったようです。

結論:SEV効果は驚異的/不思議でもあり!H&Rスタビライザーも絶品!!!

以下にSEV化の経緯を簡単に報告するとともにインプレッション、寸評、も含めてその効果の分析を報告したいと思います。
装着順 装着SEV 装着理由と装着効果
@ SEV BIG POWER SET
(Intake&Exhaust)

低中回転域からのフケ上がりが軽くなり同速度でも1段上のギアでも無理なく加速。ただしエンジンコンピューターが学習するのに少し時間がかかるのか、 あるいはSEV効果が安定するのに時間が要るのか不明だが、アイドリングが一時的に不安定となった。その後安定して100%効果発揮するのに2週間くら いかかった。燃費は不変だったが、少し燃焼系と排気系が元気になる感じあり(吸気及び排気の流れがスムーズになるためか?)
熱対策とエンジンの負担に対する保護の意味もあってA番に。
A SEV Radiator
(R−1&R−2)


装着直後より比較的即効性に効果発揮し、明らかにパワフルになり、排気量が1段グレードアップの印象。各気筒の爆発が余裕を持った感じで、見事にバラ ンスが整い、滑らかで音量が静かになる印象あり。エンジン調律も上質で麻薬的に!装着直後の帰りの高速で既に実感。数日以内で効果はほぼ最大になった印象あり。
次はさらにスムーズ&パワフルをめざしてBC同時に装着。
B SEV HeadBalancer
(P−1&P−2)


エンジン爆発の荒々しさがかなり軽減し、Cと相まって燃焼効率が向上したのか、各気筒の爆発のバランスが良くなったかのように低回転域からアクセルに対しレスポンス向上あり上質な方向に。数日で効果安定。
C SEV FUEL P・E
Bとの相乗効果もあってかM3が本来苦手だった極低回転域のアクセルレスポンスの向上あり、全域に一回りトルクが乗っかった印象。数日で最大効果となる印象。パワーが出たところでそれを伝えるクランクへ。
D SEV Crank
(C−1&C−2)


まずは当然クランクケースに装着
装着翌日あたりから明らかにエンジン回転の摩擦感がなくなりグイグイ前に進もうとする感覚が強くなり、クランク剛性アップで無駄なく駆動力が伝わるせいか、アクセルオン時でのダイレクト感に加え、オフ時でもエンジンブレ−キの効きが弱くなった感じでそのまま前に行こうとする感覚あり。比較的ゆっくりと1〜2週間で徐々に最大効果となった印象あり。
裏技でミッションケースに装着
マイスターにそそのかされて裏技装着ミッションシフトが剛性アップした感じ。抵抗も少し軽減?あくまでも裏技効果。1〜2週で最大効果。
E SEV Link
デファレンシャル(LSD付き)に装着
コーナー曲がる時のデフの効き方が滑らかでスムーズかつLSDの効き方が強くはっきりとする。具体的にはコーナーでパワーを駆けた時の前進性が高まり、いい意味でアンダーステア傾向に感じる。これも1週間位で最大効果に。
F SEV LowerArmSports
締め上げられたサスの細かい突き上げ感、ハーシュネスがほぼ解消。落ち着いた挙動となる。路面情報をより無駄なくきっちりと伝えてくる。装着直後より効果発揮し、数日以内に最大効果発揮。Very Good!
G SEV CenterOnSports
シャシの剛性アップの印象。前後輪の中心部に置く事で、前輪後輪の一体感が出る感じ。ダッシュボードのあたりに置くと、運転席から前輪のあたりまでに剛性感がでる感覚に。1週間くらいで最大効果。
H SEV S Block
ブロックを配置する場所と高さにもよるのだろうが、マイスターのセッティングに任せた結果(左右フロントライト手前とトランク後方隅?)、ボディのみならず、ボディとシャシの一体感が出て、コーナーやアンジュレーションなど車体が揺すられる場面で剛性感と重厚感を発揮。印象の変化は装着翌日にははっきりと体感。1週間以内にほぼ最大効果発揮。
I SEV Link
ミッションケースに追加
C−1&C−2をミッションケースに装着して出た剛性感をより滑らかに効率よく発揮する目的で追加してみたが、これは見事に当たり。ミッションのゴロゴロ感が殆ど消えてシフトした直後のダイレクト感とスムーズ感向上。数日でほぼ最大効果。
J SEV Radiator
(R−1&R−2)


R−1&R−2のシングルでもフィーリン改善著明だったので、もう1セット追加してアッパーホースとロアホースにR−1とR−2で互い違い挟み込みで装着。500t排気量アップした印象あり。詳しくは後述。

次にSEVのパーツ別にA,B,Cの項目に分けて、報告したいと思います。
A.主な効果 B.時間効果
即効型(直後から1日以内に70%以上効果体感)
中間型(数日以内に70%以上効果)
遅効型(1〜2週間位でやっと100%効果発揮)
C.コストパフォーマンス;☆1つから☆3つまで
エンジン回り SEV HeadBalancer(P−1&P−2) アクセルに対するエンジンレスポンスが滑らかに 即効型/中間型の間 ☆☆
SEV Crank(C−1&C−2) 駆動力が無駄なく伝わり全域トルクアップ 中間型/遅効型の間 ☆☆☆
SEV Radiator(R−1&R−2) 一言で言うと排気量アップの効果/余裕アップとフィーリング向上。
3.2Lエンジンが3.7Lになりまるでカレラのエンジンのようになる。
特にダブル装着R−1とR−2を2セットででアッパーとロアーホースを互い違いに挟み込むと効果は相加でなく相乗効果になり効果絶大!!!3.2Lエンジンが3.7Lのカレラのエンジンのようになり静かに。
即効型 ☆☆☆☆☆あげても良いくらいの絶対効果。
吸排気系 SEV BIG POWER SET(Intake&Exhaust) トルクとパワーが伸びる感じ。同速度で一つ上のギアでも加速する印象。パワフルな感じは出るが少し元気になって、やや荒くなる部分もあるが、上述した様に、エンジンコンピュータの学習過程が関連しているかも? 即効型とも言えるが安定するまでは遅効型 ☆☆
燃料系 SEV FUEL P・E アクセルに対するレスポンス向上で特に低回転域の息継ぎがなくなり、スムーズに加速。ギアが1つ上でも加速が滑らかに。 即効型 ☆☆
駆動系 SEV Link とにかく駆動系のよけいな摩擦感が改善。ミッションではダイレクト&スムーズに。上記裏技との併用も効果OKデファレンシャルにも効果大でスムーズでLSDが良く効く感じに。 中間型から遅効型(装着して割合いすぐに感じ始めるが...) ☆(私個人的には☆☆☆)
その他 SEV LowerArmSports サスのアームが太くなったかのような印象あり。余計なハーシュネスを殆ど減衰して伝えず、一方で必要な路面情報は余すところなく伝わり、スタビライザー強化のような効果あり。むしろ乗り心地はマイルドに変化。しかも装着直後より劇的に体感できる。 (超)即効型 ☆☆☆☆☆あげても良いくらい。
SEV CenterOnSports シャシに対する剛性感アップ。上記ロアーアームと下記Sブロックとの併用が単独装着よりはるかに効果的。 中間型/遅効型 単独装着では☆か☆☆、Sブロックとの併用では☆☆☆か
SEV S Block ブロックに囲まれた車全体を内部の空気全体も含めて一つの個体にしてしまうかのような効果があり、不思議な一体感/重厚感を醸し出す。その剛性感/静寂感はあたかも空間も含めた圧縮感(一体感)とも言えるもの。 中間型 高価なので☆か☆☆(個人的には☆☆☆以上)

まとめ
SEVの効果ははっきりと体感できる。(最初は半信半疑だったが)
各系統別に装着パーツを追加して行くと相加/相乗効果あり。経済的に可能なら、系統別にまとめて装着するべし。
単独パーツでも即効型で効果絶大なのは、パワー系ではRadiator(R−1&R−2)、サス系ではLowerArmである。次にCrank(C−1&C−2)BIG POWER SETFUEL P・Eあたりが体感的にわかりやすい。ボディ系ではS Blockは高価だが、他の手段では生み出せない効果あり、ボディ系のグレードアップ著明。
RadiatorR−1&R−2を2セット装着すると排気量アップと質感もグレードアップの印象になり絶対お薦め。
意外にLinkもパワーアップに伴い駆動力を無駄なく発揮するためには外せないところ。
今後は小物中心でブレーキ、ショック等もSEV化を検討中。

H&Rスタビライザー
 SEVS Block装着と時を同じくして、首を長くして待っていたH&Rのスタビライザーがやっと入荷したため、足回りのグレードアップの仕上げのつもりでマイスターに装着をお任せしました。
 パーツは黒塗装で、見るからにノーマルの太さの2倍はあるかというしっかりとしたもので、高級感に溢れていました。
 装着後の試乗では、これはまさに絶品!!!操縦安定性/操舵感のリニアティー/乗り心地の改善等が高次元で見事にバランスされ、ボディ/シャシのSEV化と相乗して、まさにカレラなみの(むしろカレラより少しシャープでタイトな)高品質な剛性感を感じるようになりました。
 このスタビライザーはまさにパーフェクト。若干高めの価格もこれならリーズナブルと感心しきり。超お薦めです!
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